▼ アルツハイマー病の原因と進行を防ぐ治療薬

アルツハイマー病の原因と言われているものには、いくつかの説があります。

一つ目の説は、βアミロイドというたんぱく質が脳内の組織に蓄積して、脳の神経細胞が死滅するという説です。
脳の中でも、特に大脳皮質が極端に萎縮し、痴呆発症へ至るというのです。
正常な人間においても合成、分泌されているβアミロイドは、酵素によって蓄積しないのですが、加齢に伴い分解が追いつかず蓄積されることで、アルツハイマー病の発症につながると考えられています。

二つ目の説ですが、大脳皮質などにできるシミのような老人斑という繊維状の物質の増加が、アルツハイマー病の発症の原因とされています。
しかし、この説は現在疑問視されています。
それは、老人斑がアルツハイマー病でない人にも多く見つかっていて、短期の記憶に関わる海馬ではあまりみられないからです。

三つ目は、古くなった繊維状のたんぱく質が、細胞内にたまって固まった糸くずのような神経原繊維変化が原因という説もあります。
神経原繊維変化は、アルツハイマー病になった人の脳内神経細胞で多く見られます。
それが増加すると、神経細胞は減少します。
しかし、二つ目の説であった老人斑と同じように、アルツハイマー病でない人にも神経原繊維変化は見つかっています。

四つ目は、遺伝するというものです。
遺伝する家族性アルツハイマーでは、原因遺伝子があります。
βアミロイドのもととなる物質であるアミロイド前駆体たんぱく質遺伝子(APP遺伝子)、プレセニリン1、プレセニリン2という遺伝子が、原因遺伝子であるということがわかっているそうです。
APP遺伝子、プレセニリン1、プレセニリン2の変異がβアミロイドを増加させ、βアミロイドは神経細胞の中に蓄積して、アルツハイマーが発病すると考えられています。

また、原因因子は他にも、神経伝達物質の異常、アルミニウム、活性酵素など様々なものが考えられています。
アルツハイマー病の原因は特定されておらず、いつアルツハイマー病になってもおかしくはないので、初期症状を見逃さないようにしましょう。
初期症状を見つけたら、その段階での治療をすることが、症状の進行を防ぎます。

アルツハイマーの初期症状を見つけたら、症状の進行を防ぐ薬も出ていますので、初期症状を見逃さないように気をつけておきましょう。
その薬は、アルツハイマー症状である、不眠、易怒性、幻覚、妄想などに効果があり、病気をある程度遅らせることも可能になっています。

アルツハイマー病では、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの減少が見られますが、そのため、アセチルコリンを分解する酵素を阻害して、アセチルコリンを増やす薬のドネペジルが日本では多くの人に使用されています。
ドネペジルは、脳内のアセチルコリンの量を増加させるだけでなく、病気の進行も遅らせることができるそうです。

アルツハイマー病の患者は、失禁、徘徊など家族にとって苦労の多い場面がありますが、アルツハイマー病の進行を防ぐことで、それが軽減されます。
初期症状が出た段階で、適切な治療を受け、薬の投与によって病気の進行を食い止めることができるので、アルツハイマー病を根本的に治す薬がないからといって、絶望することはありません。

世界中で行われているアルツハイマー病原因究明のための研究によって、効果的な治療薬が将来開発されることでしょう。

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